|
|
|
情事の終り (新潮文庫)価格: 620円 レビュー評価:5.0 レビュー数:2 小説のタイトルは「情事の終わり」だが、内容は「信仰の始まり」ともいうべきもの。キリスト教は日本人からみると逆説に満ちているが、特に「奇跡」は理解しづらい。そういう点で、この小説はカトリック信仰に関心のないひとには不向きだ。しかし、カトリックの信仰を理解しようとするひとには、フランスの作家ベルナノスとならんでグリーンはとても面白い。特に、本書は「奇跡」を扱っているので、両作家を比較するのも興味深いかもしれない。グリーンには『権力と栄光』という傑作もあるので、併せ読みたい。
以下は、私的な感想。
サラァは神と出会ったことにより、情事を終えざるをえなかった。自分の意志 |
サターン 土星の心理占星学価格: 2,520円 レビュー評価:3.0 レビュー数:6 他の方も書いていらっしゃいましたが、現在、人生において苦しんでいて、且つすごく今までも考えて、自分を責めたり自虐傾向のある人にはお勧めしません。死にたくなります。
私は丁度自分を見直す今までの人生で最大の精神的、人格的試練に文字道理狂い死にするくらいのた打ち回りぼろぼろになり、そしてそんな自分を受け入れ、人生の自分の道を踏みしめる感覚を取り戻しつつ前に歩き出していました。そこまでいけたから、この本を読んでも死なずにすみましたし、えぐられても息を絶やすことはありませんでした。それよりも、自分自身がここが問題だったのかもしれない、今までは見ないようにしていた、ごまかしていた、受け入れ |
ヒューマン・ファクター―グレアム・グリーン・セレクション (ハヤカワepi文庫)価格: 1,050円 レビュー評価:4.5 レビュー数:6 罪とは何か。本書を読了して考え込まずにはいられなかった。
この小説のなかで、二重スパイの母親は息子のことを吐き捨てるように言う。「あの子は祖国を裏切ったんです。」
対して、スパイの妻は言う。「彼は一度、わたしが彼の祖国だと言ったことがあります?息子も含めて」。
この主人公はダブルバインドを負っている。しかしそれは、帯にあるような「祖国と、妻の祖国」ではない。言うならば、個人が自由に幸福を追求して生きるうえで、祖国への忠誠から逸脱せざるを得ず、その結果、最優先していたはずの「幸福」を失うことになるという複雑な二律背反を描いたもので |
|
|
|
|
|
|